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“接客力”が試される!デジタル接客・オンライン接客の基本と本質【ベイクルーズ】

全国のEC担当者を応援し、ECビジネスの可能性を伝えるECエバンジェリストの川添 隆(Twitter / ラジオ)です。#Withコロナ時代を生き抜くヒント を探っていく連載をしております。※下記の連載は文末にて

前回はデジタル接客・オンライン接客の種類と特徴をおさらいとしてまとめました。

連載第8部は、その続きとして「デジタル接客・オンライン接客の運用を含めた基本と本質的に求められる要素について」まとめました。この領域はまだ定説があるわけではないため、私の主観と実施されている担当者からの情報を客観的につなげていますので予めご了承ください。

前回同様、ここでは顧客の時間軸に合わせて、デジタルを通じて接客を行うすべてを“デジタル接客”と呼び、オンライン上で行う接客は“オンライン接客”と呼ぶようにします。


オンライン接客を運用する上での基本とは

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コロナ禍によって、オンラン接客を活用する企業やブランドが増えたことは間違いありません。複数企業のご担当者からお話しを聞いてきた中で、現時点での業界の標準形だと思われる運用方法について、Q&A方式でまとめます。


プラットフォームの選定のやり方は?

(1)1:1 or 1:N
(2)一方向 or 双方向
(3)テキスト or 動画
上記3つのそれぞれの要素を選択することで、プラットフォームやチャネルの選定ができます。

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<ベイクルーズ 加藤 利典さんの資料を基に編集した図>

(1)と(2)に関しては、前回同様上記の図にまとめていますので参考にされてください。上記の図に書かれている“手段”は、それぞれ「テキスト or 動画」がほぼ決まっています。Zoom接客、ライブコマースやライブ配信は動画ですし、チャット接客、SNSでのDMやリプライはテキストです。

逆に先に「このプラットフォームで接客したい」という意向もあるでしょう。例えば、自社ECサイト上で接客を行いたいとするとチャット接客、ライブコマース(専用ツール)、ブログ、コーディネート、商品動画に絞られます。その上で、「1:1 or 1:N」「一方向 or 双方向」の軸で決めるのもありでしょう。


どのように集客するのか?

特にライブコマース・ライブ配信、Zoomのようなビデオ接客などに対してどのように集客しているのか。これはシンプルに、オウンドメディアのトピックスや特設ページ、メルマガやLINEなどのCRM、ブランドオフィシャルのSNS上の3つの媒体から集客されています。

広告を使ってまで集客されている企業はまだ聞いたことはないです(動画への集客としての広告活用はありますが)。


誰が担当しているのか?

ライブコマースやチャット接客、ビデオ接客のようなアクティブなオンライン接客については気になるところだと思います。実店舗メインの企業・ブランドでは、店頭スタッフやプレス、社内でインフルエンサー的な役割を担っている人といった職種の方が担当されています。さらにどんな人が社内で選ばれているかというと、やりたい人、スキルがある人、ビジュアルが映える人が選ばれる傾向にあります。


どんなスキルが必要か?

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これもライブコマース、チャット接客、ビデオ接客のようなアクティブなオンライン接客については気になるところでしょう。微妙に必要なスキルが異なるようです。

◆共通
本質的な接客スキル・知識・マインド(後ほど詳細説明)


◆ ライブコマース・ライブ配信
〇 いわゆる“天の声”のポジションとして、指示や質問を読み上げる人が重要な役割です。この方は、画面越しのお客様の反応を把握する力、的確に演者に指示をするコミュニケーション力、声として登場するので場を盛り上げるようなコメント力が必要です。仕切る必要があるので、仕切ることができるポジションの人が適任です。

〇 演者の方はコーディネート力が高いのはもちろんのこと、ライブ自体を笑顔で楽しめる人がよいでしょう。


◆チャット接客
自社ECサイトでは複数ブランドの商品を取り扱っているケースが多いはずなので、ブランド横断での商品知識やコーディネート力が必要です。また、テキスト入力の速さも求められます。


◆ビデオ接客
〇 質問に即答でき、お客様の“ムリ”に対しても応対できるスキルを持ち、それを実行できる権限を持つ人がよいでしょう。せっかくの占有時間に、“保留”はマイナスの体験になりかねないからです。

〇 ファシリテーション力、リアクション力は実店舗以上に求められます。実店舗ではお客様の言動に合わせて、スタッフ側はちょっと控えめな言動をとる方が好まれることがあります。しかし、ビデオ接客においてはスタッフ側がテンポ良く先導しリアクションをしないと、ぎこちない接客になる可能性があるからです(Zoom商談をしたことがある方は、テンポの良い打ち合わせと、ちょっと間がある打ち合わせの違いを思い出してみてください)。


どのように効果測定しているのか?

これもライブコマース、チャット接客、ビデオ接客のようなアクティブなオンライン接客については気になるところでしょう。ツールによって2パターンあります。

〇 専用ツールが存在する場合:購入までの計測は可能
〇 SNSやビデオなどの外部のプラットフォームを使う場合:基本的に計測は不可能

後者の場合は、クーポンコードをお伝えして計測する方法はありますが、そこまでやっているケースはまだ聞いたことがありません。

実店舗の場合は、販売スタッフは接客から購入までをサポートできますが、オンラインでは接客までの役割で、購入はお客様の意思という線引きになります。


どのように効果測定しているのか?

売上計上は「決済したチャネル」です。例えばビデオ接客をした場合に、自社ECで購入されれば自社ECで売上計上、店舗からの代引き発送であれば店舗に売上計上されています。

評価に関しては、主に3パターンです。
〇 特になし
〇 すでにデジタル貢献を評価する制度がある場合はそれに沿う
〇 役割兼務としての評価

各社の担当者に聞くと、現時点でライブコマース、チャット接客、ビデオ接客のようなアクティブな接客を通じた売上貢献を特別に評価に加えているわけではないそうです。そもそも、企業側は売上・利益が減っているという緊急事態であり、お客様側は気兼ねなくショッピングができる環境ではないということの間を埋めるために「やるべき施策」という位置づけだと捉えています。


デジタル接客で“本質的に求められる要素”とは

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デジタル接客で“本質的に求められる要素”とは下記の3つだと捉えています。

(1)企業・ブランドとしての商材✕顧客ニーズに合わせたバリエーション ※前回記載
(2)お客様の“没入感”
(3)
スタッフの本質的な接客要素

それぞれについて解説します。


(1)企業・ブランドとしての商材✕顧客ニーズに合わせたバリエーション

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大切なのは、商材✕顧客ニーズに合わせたバリエーションの用意するということです。以前紹介したオールユアーズでは、顧客ニーズに合わせて3つのオンライン接客を用意されています。スペックの補完したい人(例えば店舗で音楽聞きながら入店する人)と悩みやニュアンスを聞いてほしい人のコミュニケーションの取り方は変わりますよね。
前回の記事から引用>

実店舗では臨機応変に人間が対応できます。デジタル上では何かの仕組み上で接客する必要があるので、ニーズに応じてチャネルや手法を分ける必要があるということです。例えば、実店舗での接客後にQRコードをお客様に読み取っていただいて、購入検討いただくというのもバリエーションの1つです。


(2)お客様の“没入感”

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私自身がビデオ接客を受けたり、ライブコマースを体験して感じたのですが、パーソナルなオンラインでの接客は、実店舗で受けるよりも接客されていることに集中できるのではと思っています。コミュニケーションが盛り上がると一種の没入感があります。私の見立てでは、実店舗では店内外に目移りしそうな情報が多かったり、接客と購入の意思決定のつながりが強いため接客を受けながら迷っている(気が散っている)からではないかと考えています。

見立ては別として“没入感”に関しては、ライブコマースやビデオ接客を実施されている企業・ブランドの方も同様に重要性を感じていらっしゃったので、ある程度確からしいと捉えています。では、その“没入感”を提供するには2つの要素が必要だと考えています。

1つ目は、親近感です。日本の接客はフレンドリーさよりも丁寧さが重んじられる傾向にありますが、それでもコミュニケーションによってお客様とスタッフの距離感を縮めることは可能です。実店舗以上に、傾聴して共感することが重要だと捉えています。D2Cファッションブランドのfoufouのインスタライブにおける配信者と視聴者の近さは代表例だと言えます。

2つ目は、本音を引すことです。これは実店舗でも同様ですが、お客様が声に出して「欲しい」と言っているモノが、必ずしもご本人の課題や欲求に沿うモノではなかったり、隠れた欲求がある場合があるのです。例えば私がIKEUCHI ORGANICで体験したのは下記です。

例えば、IKEUCHI ORGANICのZoomストアにおいて、「柔らかいタオルが欲しい」と思っていたのですが、「柔らかいだけでなく、洗濯を繰り返しても風合いを保てる安定性」を求めていることを引き出され、私自身が理解することができました。これは“接客”を通じて引き出されることだと考えています。

他にも私が関わっているメガネスーパーにおいても、お客様ご自身が「遠近両用のメガネが欲しい」とおっしゃっている場合でも、お客様の課題を聞いていくと違うレンズの方がよい場合があります。

そして、奥底にある本音を話すことで、相手に対して信頼感や親近感を感じられたことはないでしょうか。本音を伝えることでより相手(スタッフ)の話しが入りやすくなり、その結果“没入感”につながるのではないかと考えています。


(3)スタッフの本質的な接客要素

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改めてオンライン接客を受けてみると「本質的な接客スキルとは何か?必要な知識やマインドは?」が見えてきました。下記の5つの要素が必要だと捉えています。

【知識】
〇 豊富なブランド・商品の知識

【マインド】
〇 お客様も自分自身も楽しく、気持ちよく
【スキル】
〇 聞く力、引き出す力、理解力
〇 伝える力、提案力
〇 気配り力(気が利く・察する力・先読みする力)

豊富な知識を持ち、楽しみながら時間を共有したいと考え、コミュニケーション力と気配り力がある人は実店舗での接客だけでなく、オンラインでの接客でも活躍できる可能性があるということです。本質的な接客要素を磨いていくことで、「販売スタッフのオムニチャネル化」につながることは間違いありません。


接客には笑顔や楽しさというスパイスが必要

通販コンサルタント村山らむねさんが、ベイクルーズのライブコマースを自身で体験された上でインタビューをされた記事があります。この中で下記の部分に私自身はハッとしました。

成功の秘訣は大きく2つある。(中略)
もう1つは出演者の笑顔だ。実はライブコマースの出演者はすべてベイクルーズの従業員が務めている。すでにインスタなどで人気を得るインフルエンサーでもあるため、視聴者コメントがワクワク感を拡張して、一種のコミュニティーを醸成することに成功している。
こうしたことを反映してか、ライブコマースでは皆笑顔で楽しさが伝わってくる。実際に、ベイクルーズ従業員の中には「私も参加したい」という声が多いそうだ。視聴者がコメントや質問を書き込むと、すぐに出演者に伝わり反応が返ってくる。こうしたリアルタイムの双方向性も視聴者を引き付けている。
<引用>日経MJ

企業としては接客は販売(利益獲得)につなげるための営業行為であることは間違いありません。しかし、ECも含めて接客がなくてもセルフで買える時代に、あえて接客という時間を共有するのであれば、お客様もスタッフも楽しい方が有意義な体験になります。これまで私自身もデジタル側での仕事をやってきましたが、ブログ、SNSをはじめとするテキストであったとしてもスタッフ側が「ブランドが好きか?」「楽しんでいるか?」は透けて見えると実感しています。動画であればなおさらです。楽しさは笑顔に表れ、笑顔がお客様側の楽しさを誘発するのではないでしょうか。接客には笑顔や楽しさというスパイスが必要で、それによって豊かな体験(味わい)になると考えています。

連載第8部「デジタル接客・オンライン接客の運用を含めた基本と本質的に求められる要素について」については以上です、#Withコロナ時代を生き抜くヒント の連載記事と合わせてぜひご活用ください。

#Withコロナ時代を生き抜くヒント 連載のご紹介↓

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

第7部



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