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オムニチャネル推進の号令、実務としてどこから着手すればいい?【ZOEの一問一答編】

※「ZOEの一問一答編」は、主に店舗メインの企業におけるEC事業を対象にした過去の寄稿記事に多少手をいれたシリーズです。

小売業だけでなく、メーカーや生産工場でもオムニチャネル、さらにはOMO(Online Merges Offline)の推進は必要性を増しています。

「そんなこと考えていなかった」という企業でも、経営陣の“鶴の一声”で局面が変わることは大いにあります。

先に、オムニチャネルとクロスチャネルの違いについては、色々な記事が出ていますので事前にご覧ください。

NewsPicksでもマーケティングやオムニチャネル領域の濃厚なコメントを書かれていらっしゃる信州大学大学院の牧田幸裕 准教授の下記を記事を貼っておきます。

この記事は端的に、下記のように書かれています。

「ユーザーIDの統合と顧客理解から最適な購買体験を提供する」のがオムニチャネル

さらに言えば購買の先にある“使用”まで含んだ顧客体験に“プラス”していくことが目的になります。



オムニチャネル推進の号令がかかったが、実務としてどこから手をつけたらいい?

※今回はそれぞれディテールの話ではなく、ある程度網羅的に解説します。

最初に着手するのは、ずばり人材確保・チームづくりです。

オムニチャネル推進は、最低限下記のような項目を全て理解することが求められます。
・顧客の課題は何か?
・顧客に求められているものは何か?(商品・サービスレベルなど)
・社内の組織や商流がどうなっているか?
・自社の強みが何か?

さらに上記を咀嚼してアクションに移していく。
それにはリーダーシップが必須で、どうしても個人やチームのチカラが求められるからです。

私は自身のこれまでの経験で学んだ、次の5段階のステップで推進をしていくことをお勧めしています。

1.店舗もECも理解できる人材確保とチームづくり
2.自社ECの強化と規模拡大
 ※ECが向かない場合はブランドと顧客がつながるデジタル上の場
3.ECと店舗のサービスを同期、サービス面でのチャネル間の連携
4.テクノロジーの活用、プラットフォーム構築
5.接客での活用


オムニチャネル完成の5段階とは

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1.店舗もECも理解できる人材確保とチームづくり

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人材確保・チームづくりは、継続的に行う必要があります。

中でも、リーダー選定が最重要。
業界全体で絶対数が足りていないため、企業として育成、もしくは足りない部分だけ実務を熟知する専門家をつかうのが現実的です。

人物像としては、「メインの商いを熟知していること」を重視したほうが良いでしょう。
例えば、店舗がメインであれば店舗を熟知する必要があるし、製造卸のメーカーであれば卸営業を熟知する必要があります。

店舗メインであれば、顧客も含めて店舗は企業文化そのものですし、企業の強み自体もそこを知らなければ見いだせません。
さらに、属人化している部分が多いのが実情です。

ECやデジタル領域は、ある程度のWEBサービスを利用したことがあるような理解度があれば、後からでも習得できます。

ちなみに、実務担当者の育成の場合、私の友人であるWHITE株式会社の横山 隆さんがデジタルスキルアップ研修プログラムを提供されています。


2.自社ECの強化と規模拡大

既存のチャネル(特に実店舗)以外で、ブランド戦略に基づいた「買うチャネル」、「つながるチャネル」の選択肢を広げるためには、自社ECがプラットフォームとして有効です。

次の3にもありますが、自社ECを強化する上では、既存のチャネルで展開しているサービスレベルを同期していく必要があります。
運用でカバーできる範囲は限られるため、そのためには自社ECへの投資、そのための売上・利益獲得、そのサイクルをつくるための規模拡大が必要だと考えています。

規模が拡大すれば、部門のメンバーも増やせますよね。

そして、オムニチャネル推進にもシステム投資が必要になります。
その時に議論になるのは、その投資(コスト)に対して誰がオーナーシップを持ち、リスクヘッジをどうするか?ということです。

自社ECシステムや物流投資やり、さらに儲かるという循環が作る。
すなわち、オムニチャネルをゼロからスタートするのではなく、自社ECの延長として進めれば、リスクは極小化できますよね。

また、推進担当者としては、「最悪、結果が出なかった時のリスクはECの利益でまかないます」という状況をつくることができれば、プレッシャーの軽減にもなります。
※特に私はこの観点を持っています

ちなみに、もし最寄り品のメーカーで、かつ商品が一般流通で広く行き渡っている場合に関しては、それと同じ商品がECに向かない可能性もあります(リピート化せず、利益が増えない)。
その場合は、ブランドと顧客がつながるデジタル上の場を自社プラットフォームとして用意する必要があるでしょう。


3.ECと店舗のサービスを同期、サービス面でのチャネル間の連携

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ここで言う「ECと店舗のサービスを同期する」とは、顧客情報の統合のような大きなシステム改修が不要な範囲でやることを前提としています。

例えば、アパレルのような鮮度が問われる商品、またニーズがあるにもかかわらず限定的に展開されるような商品は、「商品販売日」を店舗や他のチャネルと合わせることで、取りこぼしを減らすことができる。
私はこれも1つの「ECと店舗が同期したサービス」と定義しています。

上記の施策はこれまでの経験上、取りこぼしどころか濃いユーザーのニーズをキャッチできたり、集客効率も高まったりする連携だと捉えています。

他にも、「サービス面でのチャネル間の連携」としてEC注文商品の店舗受取りが挙げられます。
厳密に店舗在庫を使おうとすると大がかりになってしまうが、一定のボリュームが出るまでは通常のECからの配送先を店舗にするだけでも実現は可能です。
※配送費用>システム改修費用になった段階でオペレーションを変えればよい

一つ注意したいのが、この段階で自社のオムニチャネル戦略をある程度固めておく必要があると感じています。
次のフェーズでは、それなりに時間も投資額も必要になるし、オムニチャネル戦略の核となるのは自社独自の強み(コアコンピタンス)を反映する必要があるからです。
自社サービスの本質とにらめっこしないと、自社独自の強みも見えてきません。

オムニチャネルの意義は「いかにチャネル同士を連携するか?」ではなく「いかに自社の強みを最大限に引き出して、顧客体験を向上するか?」に主眼があることを忘れてはいけません。


4.テクノロジーの活用、プラットフォーム構築

顧客情報、購買情報、ポイントの統合や、WEB行動履歴の活用、アプリ、LINE、Iot、AIなどの大掛かりにテクノロジーを取り入れるフェーズです。

一般的にオムニチャネルの話題は、この第4フェーズの話が多いですよね。逆に言うと、最初にここから着手したとしても、推進するチームが組織に影響力を持てなかったり、そもそも自社独自の強みで戦略に反映できていなかったりと失敗に終わることが多い印象です。
もしくは、オーバースペックなシステム要件になってしまい、投資が課題になる傾向にあるようです。

ここでは、最終的な「接客での活用」すなわち「お客様のメリットになるようなアウトプット」をイメージしたデータの特定・収集、オペレーションの設計が必要になってきます。
むしろ、大規模なシステム構築する前に、限定的でもよいので「お客様のメリットになるようなアウトプット」のPDCAを回して、勝ち筋を見つけておくのが理想的です。

また、この段階から本格的なオムニチャネルの推進フェーズに入りますが、推進実務の難易度は高まります。
それは、EC部門だけの問題ではなく、全社単位を巻き込む必要があるからです。
そのため、前述1のような横断的に指揮をとる人材が必要になってくるわけです。


5.接客での活用

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接客の場で活用する、すなわち最終的なお客様に接する場面で、オンラインとオフラインを行き来することで有益なサービスや機能を提案をしていくフェーズ。
ここが機能しないと、最終的にはオムニチャネルによる成果は得られないでしょう。

日本ですでに実績を出されているのは、カメラのキタムラ、丸井、コメ兵、ビームスなどの企業です。

この段階に進める前に、デベロッパーへの出店が多い場合はその理解や、店舗スタッフのマインドを変えていく準備が必要になります。

また、データの解釈、店頭でのご案内方法、オンラインのサービス、システムなどを含めて、とにかく仕組み自体が複雑になりやすい落とし穴があります。
複雑になればなるほどスタッフもユーザーも使いにくくなってしまいます。

そのため、4の段階でアウトプットのPDCAを回しておくというのは、複雑性を回避するためにも役立つと考えています。


今日からやること

これは私が経験した上での5段階のステップです。
同時並行で進めることはできても、順番を飛ばすことはNGだと考えています。
もし、今回のようなステップを意識していなかった方は、下記をやってみてください。
①現状把握:今、自分たちはどのフェーズにいるのか?
②過程の確認:飛ばしているステップはないか?次のステップまで手をつけてしまっているか?
③アクション:②で飛ばしているステップがあればそのステップを早急に実施する。飛ばしていなければ、今のステップを具現化していく


引用・二次利用について

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ECエバンジェリスト/川添 隆(Twitter:@tkzoe

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