「専門家系の情報発信は、いま何に取り組むべきか?」という質問に回答してみた
ECエバンジェリスト川添 隆です。今回は先輩であり同志である方に質問をいただいたので、それにお答えしたいと思います。
発信メディアの勉強不足なのですが…全方位型に取り組んでいる川添さんにお聞きしたいと思ってました。
僕のような専門家系の発信は、いま何に取り組むべきかと。例えば、note、既存ブログから乗り換えるべきか?、あとvoicyやオンラインサロンに興味があるのですが、川添さんはどう思われますか?
確かに私は過去の経験も含めて、note、個人ブログ、NewsPicks、stand .fm、Radiotalk、voicy(出演)、YouTube、Twitter、Facebook、Instagram、LINE公式アカウント、Zoom、CAMPFIREコミュニティを使ったオンラインサロンなど様々なプラットフォームを通じてアウトプット(情報発信)に取り組んでいます。この経験を通じて私の意見としてお答えします。
※アウトプットの意義についてはコチラ↓
既存ブログは1つの資産
まず既存のブログは残されて良いと思います。せっかくこれまで積み上げられた記事もありますし、それを移行するのは大きな労力が必要になります。
一方で現在利用されているブログプラットフォームを拝見すると、そこの発展性は少ないと感じます。例えば、下記のように新たなブログと既存ブログをいかす方法があります。
1.noteに全文を書く
2.サマリーを既存ブログに書き、noteに誘導するリンクを掲載する
※サマリーはnoteの引用というよりも、まとめを独自に書いたほうが望ましいです
ここからは目的別でのツールの使い方です。
〇 情報発信とともに、情報を見てくれる継続的なリピーターがほしい
〇 人柄を伝えながら情報発信をして、濃いフォロワーを増やしたい
〇 自分を起点としたコミュニティやファンクラブをつくりたい
情報発信とともに、情報を見てくれる継続的なリピーターがほしい
この場合はnoteがオススメで、その理由は下記です。
〇 月間アクティブユーザー4,400万のプラットフォーム(グローバルSNSの日本の利用とほぼ同等というデータもあります)
〇画像やリンク挿入がとにかくカンタン(文章に専念できる)
◯ フォロー、ハッシュタグのような関係性をつくったり、ネタで回遊できる機能がある
◯ 有料記事や定期購読機能のような課金の仕組みがある
◯ サークル機能で限定コンテンツや部活的な取り組みも可能
◯ SEOも強くなってきた(GoogleやYahooからの流入が結構多いようですが、スタート時期や記事内容で変動する前提です)
参考情報ですが、私の友人がユーザー側としてコメントをくれました。
韓国ドラマの感想とかnote優先してみちゃいます。
note=文章がうまい人が書くってイメージがあって、自分が言語化できないけど誰かと共感したい……自分と同じ気持ちの人いないかな?っていうときにnoteを漁りに行く派です。
さらに、note proという有料版では独自ドメインの取得も可能です。ホームページ自体をnoteに乗り換えるのもありです。
人柄を伝えながら情報発信をして、濃いフォロワーを増やしたい
この場合はいくつかパターンがあります。
◯ 大きく狙うなら動画配信、すなわちYouTube
専門的な情報にはまだスキマがあるはずなので、ビジュアルで伝える情報の相性はよいでしょう。一方で撮影と編集労力がかなり必要です。
◯ ゆる~く継続性を保つならオンラインラジオ(音声配信)
音声配信プラットフォームも増えてきたので、各チャネルの特長は下記です。
● voicy : 著名人が多く、スポンサーもあります。ただし基本は審査制、かつ再生回数が少ないと降板になるらしいので注意が必要です。
https://service.voicy.jp/personality#step
● stand .fm : 著名人やビジネスパーソンの配信者数が急増(している印象)。ライブ配信ができたり、リモートでのコラボ収録が可能です。
● Raidiotalk : ポッドキャストと連携可能。音声ギミックが豊富です。
私の場合は、知人のvoicyチャンネル 風呂敷「畳み人」ラジオにゲスト出演させていただきラジオの感覚を何となく掴むことができたのですが、voicyに応募する勇気はありませんでした。そこで、まずはRadiotalkからはじめ、最近はstand .fmでコラボ収録やライブ配信を使って継続性を保てています。
動画と音声の違いなどは下記に記載しています。
自分を起点としたコミュニティやファンクラブをつくりたい
この場合は、オンラインサロンがオススメです。ファンクラブは「主催者:nの関係」、コミュニティは「主催者が顧問の先生で参加者同士がn:nの関係」と定義しています。
プラットフォームはCAMPFIREコミュニティ、noteサークルあたりがよいのではないでしょうか。ただし、CAMPFIREコミュニティは課金のプラットフォーム(情報発信は可能)で、実際の運用はFacebook非公開グループやslackを使う必要があります。最近は連絡の取りやすさも含めて、slackが増えているようです。
私も過去にCAMPFIREコミュニティを使ったオンラインサロンをやりました。その経験を踏まえた運営の注意点があります。例えば、参加者でありながら事務局的な動きをやってくれる人がいるとうまく回りやすいです。
また、オンラインサロンは課金に見合う対価を生み出すのが難しいです。質問者の方はブログやメルマガでかなり濃い情報を提供されているので、オンラインサロン限定の情報の出し方が難しいと思われます(私もここを苦心しました)。そしてそこに囚われると、本来必要な交流の役割がおざなりになりがちです。ポイントは、参加者がアウトプットや活動できるような場を用意するとうまく行きやすいと捉えています。
私はこれを短期的に用意できないと感じ、いったん閉鎖しました。
※今は結果的にZOE BARが「主催者が顧問の先生で参加者同士がn:nの関係」のコミュニティになっています。
自分自身の性質を理解してオンラインプラットフォームを選ぶ
CAMPFIRE 家入一真さんの下記の言葉は重みがあります。
インターネットは個人をエンパワーメントするもの、それが本質だった。
ソーシャルメディア(ブログ、SNS、動画・音声など)は、まさに個人をエンパワーメントする場所だと捉えています。自分が届けたい情報の性質・特長や、誰に届けたいか?によってプラットフォームを選択する必要があります。
一方で、個人や企業の情報発信には「継続性」が重要です。これだけ情報が溢れている中では、「ここに来れば欲しい情報がもらえる場所」として認識してもらう方が良いと考えています。そこで「継続性」を担保するには、自分自身の性質を理解してプラットフォームを選ぶことをオススメします。
例えば私自身の場合は、軌道に乗ればコツコツと積み重ねができる一方で、最初がつまづくとすぐにサボってしまいます。そして、何より“マイペース”です(笑)。過去何度も「ブログを継続することの重要性」を教えられたとしても、なかなか継続的なブログを実行することはできませんでした。
そういった中で、2018年10月にファッションブロガーMBさんが発信される圧倒的な情報量に衝撃を受け、翌日から「日刊ZOE NEWS」をスタートさせました。
私は、自身がつまづきやすいことを理解していたので、「カンタンに継続できる」という基準を最優先して、noteを選択したのです。結果的に、2018年10月16日から365日 毎日欠かさず、「日刊ZOE NEWS」というブログを継続することができました。
もちろん、マーケティングとして「拡散されやすい」や「フォロワーが増えたほうが良い」などを優先するのもありです。いずれにしろ、限られた時間の中で“ムリ”のない情報発信ができるプラットフォーム選択された方が継続しやすく、結果的に届けたい人に情報が届くと思っています。これは企業やブランドの発信も同様のことが言えるので、リソースが限られている組織でも参考にされてみてください。
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