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ビームス"個人商店EC”をマネするとヤケドする!ECにおける個人と企業・ブランドの関係を考える

オンライン・オフラインをつなぐコマースプロデューサーかつECビジネス周りを伝える・応援するEコマース先生の川添 隆(Twitter等のSNS一覧)です。

2022年2月にビームスの斬新なECサイト「B印MARKET(B印マーケット)」が公開され、私も興奮してツイートしました。

まず、何度も言いますが、ビームスの取り組みをマネしたらヤケドします!多店舗展開でこの取り組みができるのは、ビームス唯一と言っても過言ではないでしょう。ただし、この取り組みから学ぶことが多いのも事実です。

今回は日経クロストレンドの記事を交えて4つの切り口で解説します。

1.SNSもECも個が大事
2.組織で個をいかす難しさ
3.自社ECをメディア化する難しさ
4.レガシーなECからの脱却


1.SNSもECも個が大事

SNSは作られた情報よりも生っぽいコンテンツが主流となり、より個と個のエンゲージメントが重視されています。国内ECにおいても個人をアピールする場は増えました。

また、中国・韓国でも先行する個人を軸としたECが増え、欧米系ブランドは社内外の個人アンバサダーを上手く活用しています。

あくまでもビームスはこのトレンドに乗っかっているわけではなく、企業のアイデンティティなのですが、時代が追いついてきた感がありますね。


2.組織で個をいかす難しさ

「1.SNSもECも個が大事」のトレンドを理解していたとしても、これを企業組織で運用する難易度はとても高いのです。

「過去を振り返ると、一般的な組織はリスクヘッジの面から個人の発信を含めてコントロールするのが当たり前だった。ただ、人のアンコントロールなところが人間味となり、魅力になる。組織として管理のハードルは高いけれど、個の可能性をいかに広げていくか。『好きにやっていいよ』という領域をどれだけ広げていけるかが、今後はどの組織でも重要になる」
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00873/

このコメントにあるように、10年ほど前から多くの企業側は”組織としての管理”と”個人への自由”のはざまで揺れ動いています。実際に運用する秘訣は”企業カルチャーの浸透”と”フィードバックの仕組み”の両輪を回すことでしょう。

過去にビームスの取り組みを聞いてきましたが、スタッフが投稿したコンテンツに関しては、マネジメントがフィードバックしたり、横で情報共有をするような仕組みが回っています。ただし何よりも、お客様に役立ちたいスタッフの思いと、個人の個性を許容するカルチャーがあることで、仕組みが機能していると捉えています。

今後のビームス公式サイト(自社EC)は下記のような構成になっていくのhではないでしょうか。
・レーベルが取り扱う商品
・各店舗が取り扱う商品
・個人が取り扱う商品


3.自社ECをメディア化する難しさ

先に言っておくと、一般の企業はSNSを使った方が上手くいくかもしれません。例えばライブコマースに関しても、自社ECで継続している企業は限られており、多くのブランドはインスタライブでの配信を継続しています。これは、多くの企業には「ユーザーが自社ECサイトに高頻度で訪れる理由」がないからだというのが私の見解です。

一方で、アメリカンカルチャーからスタートし、”カルチャーショップ”であり続けようとするビームスは、企業自体・レーベル自体がコンテンツになっている感覚があります。だからこそビームスのお客様は、モノ・コト・ヒト・ミセの魅力を求めて公式サイト(自社EC)を訪れるのかもしれません。

※ちなみに2016年とサイト統合から、ECとしては珍しい「タイムライン」の機能があります


4.レガシーなECからの脱却

ECサイトの構造は、登場から大きな変化がありませんでした。この2~3年ほどでヘッドレスコマースの概念が登場したことにより、ようやく変化が生まれてきています。

そういった中で、B印マーケット個人商店のUIは斬新です!記事にもある通り、商品の一覧性や検索性ではなく、”個人によるディレクション”がメインになっています。レコメンドされている商品リンクを押すと、従来の商品詳細ページに遷移するものの、ここからは決済に必要な動線と捉えてよいでしょう。

個人商店の店主が増えてくると、またUIも変わりそうですが、「レガシーなEC」から脱却した好例となるでしょう。


ECにおける個人と企業の関係

全ての企業が、個人の個性を前面に出せるわけではないと捉えています。ただし、ブランド自体に人らしさを求められている昨今において、光のある個人は企業にとって武器になるのは間違いないでしょう。

最後に、記事の中で思わず唸るコメントがあったのでピックアップして終わりといたします。

「店主の最大の責任」と高瀬氏が話すのが、「消費者とのコミュニケーション」だ

⇒ ECであってもコミュニケーションは必要。むしろ、顔の見えないECだからこそコミュニケーションの質と量が求められています。「誰がコミュニケーションにコミットするか?」は、みなさんのECチームでも考えてみてはどうでしょうか。

「社外的には無名でも、お客様から魅力的と思われるめちゃくちゃマニアックな個人をどんどん増やしていく」
「ただ有名といっただけでは商品は売れない。応援したいと思ってもらえることが一番重要」

⇒ ”応援”を取り込む仕組みはマーケティングのトレンドになっています。ただし、これも手段に頼っては形骸化します。「ブランドとお客様の”つながり”は何によって生み出されているか?」について考えてみてはどうでしょうか。


「戦略的に、サービス名にビームスという言葉を入れていない」


本記事と関連のある参考記事


コマースプロデューサー / Eコマース先生
川添 隆(Twitter:@tkzoe

▼YouTubeチャンネル: 川添隆のいいコマース学
▼仕事術やデジタルトレンドをゆる~くお話しする音声コンテンツ(Radiotalk): 川添隆のいいコマース学ラジオ
▼自著:「実店舗+EC」戦略、成功の法則

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川添 隆と皆で模索する、B2Cビジネス・働き方ノート/エバン合同会社

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