1年半の睡眠障害から、自分の強み・求める環境は“思い込み”だったと気づいた~心身の健康はキャリアを見直すきっかけになる~
2023年7月末にビジョナリーホールディングスを退任してから最近までの1年半、私は「これだという道」を見いだせず、睡眠障害と向き合ってきました。
結果的に、私は42歳で睡眠障害や軽度の突発性難聴という身体の不調がキッカケとなり、妻の助言があったことで、今後のキャリア・自己理解・考え方を変えようと決意できました。
これまでの私は「組織の中でチームを作り、関係者を巻き込むことで結果を出し、新しいことに取り組む」ことが自分の”らしさ”を最も発揮できると捉えてきましたが、現時点の私においては別に当てはまるわけではない。そもそも、それ自体が私が描いていた勘違いだと気づくことができました(過去はその環境に耐えられ、心地良かったのかもしれません)。
今の私が”らしさ”を発揮できる領域や活動は、2025年の初旬には実験的に実行できるようにしていこうと考えています。まだちょっとだけ気にするかもしれませんが、他者の見られ方よりも自分自身の才能ややりたいことを引き出し、理解してくる仲間と一緒に仕事をして、これまでとは異なる成果とやりがいを作っていこうと思います。
私自身の苦悩や心身の不調との向き合い、自己理解、新たな自分を見出した過程は、あくまでも私の一例です。一方で、この記事を読んでいただいた人の何かしらのお役に立てればと思い、自己開示をしております。
はじめに
この記事での自己開示は、下記の2点が前提にあります。
また、下記のような方には、もしかしたら参考になるエッセンスがあるかもしれません。
これまでの経緯・ファクトの確認
2度の睡眠障害はどのようなタイミングで起きたのか
この1年半のあいだ悩まされたのが睡眠障害でした。睡眠障害にはいくつかのパターンがあります。私の場合は早朝覚醒の部類で、朝2時半〜5時に目を覚ますと再入眠(二度寝)ができなくなるというものです。一応床に伏して目を閉じていますが、起きている状態が続くのです。発動条件は、平日・起きる時間が決まっている日に睡眠障害がおこります。
2024年では前半・後半の2度経験し、今はほぼ回復・一部おこるような日々を過ごしています。
1度目は2024年1月に大企業に社員として入社し、3月後半から途端に睡眠障害がおこりました。その後、社内調整の多さと人間関係のストレスから2024年7月に退職を決意。退職後は、睡眠障害がなくなりました。
2度目は2024年9月末から中堅企業に業務委託としてジョインし、10月頭から途端に睡眠障害が再発しました。さらに、10月後半には軽度の突発性難聴(低音障害型急性感音難聴)を発症しました(その後、投薬により2週間で完治)。現在もあるプロジェクトを推進するメンバーという役割で継続していますが、マネジメントのポジションには就かない決断をしました。
睡眠障害は睡眠不足だけでなく活力に影響する
これまでの私は7~8時間寝ないと日中のパフォーマンスに影響するような身体でした。だからこそ睡眠時間は意識的に大事にしてきました。もちろん、仕事に追われて睡眠時間が短くなる日もありましたが、そういう日は大事な日なので日中はハイな感じで、夜はカッと寝るような感じでした。
睡眠障害・早朝覚醒があると、もちろん睡眠時間は短くなります。寝たいのに寝れないというのは、想像以上の足かせになります。私は、睡眠障害によって「無茶できない」「なんとなくやる気が起きない」という活力やマインドにつながりました。また「早く起きるなら早く寝ればよい」ということで、夜過ごせる時間も短くなりました。
ここ最近まではストレスがなくなったと自覚していても、睡眠障害・早朝覚醒はが続きました。そうなると「いつまでつづくのか?」という不安につながります。それもあって、2024年は自身の活動などにブレーキがかかる感覚があります。
睡眠障害は過去にもあった
初めて睡眠障害・早朝覚醒を経験したのは2021年4月です。当時ビジョナリーホールディングスで情報システムの管掌取締役でした。4月の取締役会にて、相当な準備をして会社の利益のために訴えたことが理解されずに、その後1時間ほど記憶がなくなることがありました。その日から、睡眠障害がおこるようになりました。
その後、薬の力でリカバリーをして、2023年7月末に退任するまでは、早朝覚醒が発生する日が断続的にありました。退職後は睡眠障害はなくなりました。
幼少期からの病気との付き合い
そもそも、身体やメンタルが強い方ではないと自覚しています。過去にたくさんの病気や手術をしてきて、病気と付き合ってきました。
幼少期はペルテス病(全治)、24歳から潰瘍性大腸炎(寛解中)・帯状疱疹(完治)・慢性胃炎(投薬中)、肺気胸3回うち2回手術、30代での逆流性食道炎(寛解中)、ピロリ菌(除菌)。ちなみに、20代後半はプレッシャーでメンタルがダウンして、体調を崩した経験もあります。
30代は「パフォーマンスを発揮しやすい環境」に居続けられたのと、自分の成長を実感できたこともあって、ストレスを最小限にしたり、相談することで回避できたのだと思います。
これまで睡眠障害や不調が起きてから対処の変遷
2024年の前半まではいわゆる西洋医学と、世の中で「睡眠に良い」とされていることも色々と試しました。
2021年4月の段階では、心療内科に通院して依存性が少ない薬(デエビゴ)を処方され、服用した日は早朝覚醒がなくなりました。”眠れる習慣”を取り戻すことができましたが、「眠れそうにない」という予感がある日だけ飲むようにしました。2023年7月末に役員を退任すると、完全に眠れる日々を取り戻せたので薬もやめました。しかし、先述のとおり2024年4月に再発したということです。
2024年4月の対処もまずは心療内科に行き、今回は新たな薬をセット(ラメルテオン・デエビゴ)にしてを処方され、前回同様に”眠れる習慣”を目指しましたが、当時は薬を飲んでも早朝覚醒が起こりました。他の対処方法を探り、近くで睡眠へのアプローチができる鍼灸院に通いましたが、その効果はもイマイチでした。改めて睡眠に関する知識を得ようと書籍を読みました。その本では「身体的な観点では薬では抜本的な改善が難しいこと、『眠らなきゃいけない』ことがプレッシャーになり寝れなくなること」を理解しました。結果的に、7月に退職すると睡眠障害はなくなりました。
2024年10月の段階では、前回薬が効かなったことが前提にあるので、世の中で「睡眠に良いとされていること」を色々と試しました。カフェインを控える、酒を飲まない、寝る前ににホットミルクやはちみつを飲む、寝るときに頭を冷やす、瞑想、鍼灸をするなど。一時期は、床にはいる時間と覚醒した時間、それぞれの対処を記録しました。その結果は、それらの対処は早朝覚醒には影響しませんでした(あくまでも私の場合です)。
その後、新たなアプローチがうまれます。ある人の紹介で鎌倉のクリニックを知りました。そこでは、脳波計測の観点でアドバイスをもらえました。
他にも知人の紹介で表参道のクリニックを知りました。ここは経営者・アスリート・芸能人などハードワークするプロを専門として診る専門的なクリニックです。ここでは血液検査、腸内細菌検査、遺伝子検査を行い、検査結果からのフィードバックをいただきました。そして、西洋医学・東洋医学の双方のアプローチ・鍼灸・生活改善のアドバイスを提案いただき、今はその対処を継続しております。
現在の状況
完璧まではいきませんが、かなり良好な状況で平日でも眠りたい時間数を眠れるようになってきています。あくまでも私の感覚では、漢方が効いています。ただし、私の腸内環境や遺伝子検査を基にした生活改善アドバイス(食生活・運動など)の実践も効いている可能性があります。
新たな発見と考え方の変化
これまでの複数の対処方法を通じた発見
改めて振り返りですが、私の睡眠障害は朝2時半〜5時に目が覚めると再入眠(二度寝)できないという早朝覚醒の類です。
当初の要因はストレスだと捉えていましたが、表参道・鎌倉のクリニックでの複合的な検査アドバイスから以下のような新たな発見がありました。
睡眠障害は発症した直接的な要因は”組織の中でのストレス”だと気づく
今年と2021年の睡眠障害の経験を経て、直接的な要因は「組織の中での人間関係のストレス」だと確信しています。
一方で、睡眠障害がおこるストレスは自分自身の仕事での性格や人との向き合い方が起因している。抑圧的な人、自分の感情をぶつける人、配慮が無い人は特に苦手、社内調整など人との間に挟まれるのが苦手なのに仕事をうまくやるために自分が飲み込んでしまう性格。また、私は基本的にどんな人でも”1人の人間”として見て接しているようで、例えば配慮に欠ける言い分を何度もする人に出会うと「なぜそのようなことをこの人が言うのか?」ということを考えてしまうタイプなんです。
そんなのは一般社会だと当たり前の現象だと理解しています。私が特に成果を出してきた10年は、経営者が社内の文化・ふるまい・マインドセットをトップダウンで徹底していた環境だったので、私が苦手な人がほとんどいなかったということに気付いたのはここ最近のことです(笑)。
「組織の中での人間関係のストレス」を自覚して、今後のキャリアの捉え方が変わった
冒頭にも記載しましたが、これまでの私は「組織の中でチームを作り、関係者を巻き込むことで結果を出し、新しいことに取り組む」ことが自分の”らしさ”を最も発揮できると信じ込んでいました。しかし、組織でフルコミットしようとすると、ストレスを感じ睡眠障害が起きてしまうのです。1度ではなく2度発生するし、超大手企業でも中堅規模の企業でも発生してしまう。当初は「自分がフィットする組織を探すのはかなり難しい」と感じているくらいでした。
そう思い悩んでいた時に私の妻が5つのことを教えてくれたのです(文言は私の解釈で変えております)。
久しぶりに頭を勝ち割られるくらい衝撃的でした。過去は過去であり、今は今である。そして、”自分自身の本当の声”にもっと耳を傾けるべきだと強く感じました。何よりも、妻には本当に感謝しかありません。
今の私が”らしさ”を発揮できる領域や活動は、今明言できるわけではありません。当面のイメージとしては、6~7割はアドバイザーやプロジェクト型の担当者(外から”中の人”として支援する)、3~4割で私の才能✕やりたいことを形にしていきたいと考えています。
すなわち、「特定の企業・組織ひとつに属して成果を出したい」という選択肢は捨てました。今の私は「○億円グロースの余地がある」というビジネスチャンスに対してピンとこないのです(苦笑)。それは、その企業のインプットをすることで、自分の中では”手段化”されてしまうことにあるのかもしれません。もちろん、一緒に仕事をする企業においては、望む成果に対して一緒に奮闘するのはお約束します。また、プロジェクトなどで限定的に組織メンバーとして入ることもやっていきます(やっています)。
そして、この数年忘れていた「川添隆の何かしらエッセンスを、自分の活動全てを通じておすそ分けしていくこと」を再開します。これは自己顕示欲とか承認欲求に見られがちですが、私の本心としてそういう気持ちは無いんです。「私が培ってきた『考え方・ふるまい・ノウハウ』を真に欲する人がいるのであれば、喜んで継承する。その結果、その人が望む成果を得てくれたらいいな」と思っているだけです(笑)。
ちなみに、ひとつの企業に所属することを一切諦めているわけではありません。自分の才能とやりたいことが実現できる環境に何かしらで巡り合えば、その組織にどっぷり入ることもあるでしょう。ひとまず、2025年はエバン合同会社・川添隆(ゾエ)を主軸として活動します。
最後に
心身の不調がおこると、ついつい「自分が弱いせいだ」と思いがちです。私も自分自身のみでの解決を考えていました。
改めて2024年のさまざまなことを通じて感じたことは以下です。
心身の健康阻害要因は積み上がることもあるようです。違和感を感じたら、まずは自分自身の環境や心身の状態をリサーチすることをオススメします。色々と経験しての振り返りは、ググったり書籍で見て実践したとしても、自分自身にフィットするのは別の話し。知人や友人の紹介なども含めて、選択肢は多い方が良いです。色々試したみた上でしっくりくるものを見つけると良いと思います。
ちなみに、私が知ったクリニックは紹介できるので、もし知りたい方は個別でご連絡ください。
私は42歳でこのタイミングを迎えましたが、年齢は人それぞれであり、もしかしたら20代でもありえることでしょう。改めて、同年代の他人と比較する必要はないと思っています。身体が資本だからこそ、心身の健康は本当に大事!
ということで、2024年もお疲れ様でした。2025年も楽しんでいきましょう!