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企業人としてのソーシャルメディア利用とそのギャップ

「日本の会社員のSNS利用率をどうやって上げていくか?」をライフワークとして掲げていらっしゃる徳力基彦さん(アジャイルメディアネットワークアンバサダー・ブロガー・notプロデューサー)。

彼の問題提起から、企業やブランドとして「SNSを使ってブランディングや集客をせよ」というお題目と、それを発している人が「SNSを理解しているのか?」というギャップを感じました。

企業人としてSNSは利用されているのか

私もこの1~2年、改めてTwitterやnoteを活用するようになりましたが、Twitter内の話に限定すると、所属する企業名を公表している人は、デジタル関連の支援企業やスタートアップ企業の方々がメインという印象です。

例えば、小売りにおいても、全くの“イチ個人”としてソーシャルメディアを利用している人は多いはずですが、所属する企業の名前を公表して利用している人は少ないはずです。※下記は参考まで

私個人として、小売業界の経営者・役員、デジタル部門の責任者・リーダー・担当者の方々に、年間200~300人ほど新たにお会いしています。その中で、Facebookなどで繋がろうとしたときに、だいたい60~70%はアカウントを持っていらっしゃいますが、その中で積極的に発信をされているのは、その中の10~20%くらいではないでしょうか(あくまでも個人の感覚です)。やはり、実際スタートアップ企業の方々の方が積極的に発信されており、従来の小売業界の経営者・役員で発信をされているのは希少です。

※希少種の一人がサツドラホールディングス株式会社の富山浩樹さんです。Twitter:@tomiyaman_ / 富山さんのnoteはコチラ


利用を進めるには実体験・教育・バックアップが必要ではないか

ブランドや企業がソーシャルメディアを活用してブランディングや集客に役立てることにおいて、その経営陣や部門長、担当者がSNSを使いこなしていることが、必要条件とまでは言い切れません。ただし、尖っている企業やブランドのSNSアカウントの「中の人」は、SNSを使いこなしていらっしゃいます。

より企業人としても、法人格としてもソーシャルメディアををうまく付き合っていくには、自身での実体験と教育、そして企業としてのバックアップが必要だと思っています。
実際に使ってみないと、仕組みやメリット・デメリットを体感で理解できないというのは言うまでもないでしょう。その上で、使い方のルールを設置し、社内教育で広める。私が重要だと思うのは、企業としてのバックアップです。これは雰囲気づくりも含みます。

下記はSNSではなくブログの話ですが、企業としてのバックアップや雰囲気づくりの例です。

元カメラのキタムラでデジタル推進をやられていた逸見 光次郎さん(オムニチャネルコンサルタント)は、カメラのキタムラ在籍当時に、集客目的として、各店舗に管理画面を共有してブログ運用を推進されていました
一般的に、店舗のバックヤードだったとしても、PCやスマホを触っていると、他のスタッフからはサボっている印象がでてしまいますが、ブログが集客業務であれば、その雰囲気は変わるでしょうし、書いた記事が売上・集客につながればなおさらです。

また、私の場合、前職のガールズアパレル時代に、一定ルールを決めて個人ブログを推奨し、なおかつ、会社として意図的にコントロールをしないように提案しました。それを当時の社長が後押ししてくれました。それは、「制限したブログなんで面白くない」と理由からです。また、「仮に、個人のアカウントでリスクが発生たときに、会社が全面的に守る」ということを明言していただいたことで、社内での推進とともに、売上や集客につなげることができるようになりました。

実際はいずれの会社でも社長本人がSNSを活用しているわけでないのですが、ソーシャルメディアのメリットやノリ自体は理解していることで、企業としてのバックアップや雰囲気づくりに役立ったと捉えています。

もちろん好き勝手やって、ブランドや企業のイメージを壊してしまってはマイナスになります。ただし、ブランドや法人格のアカウントだけでは、伝えられることに限界があり、リーチが制限されていることも事実です。

そこを理解しながらうまく付き合っていくためにも、自身での実体験と教育、そして企業としてのバックアップの重要性を伝えていきたいと思っています。


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