部下側にとって「上司を上手く活用できるか?!」が成長の鍵【2016年11月公開分】
事業責任者を経験して丸5年(2016年当時)。こんな上司になりたくないなと思っていた人になっていないか、いつもヒヤヒヤしております。
上司を「活用する」視点を持つことの重要性
部下としてキャリアに伸び悩んでいる方に、ぜひ意識していただきたいのが、上司との関係性をただ受け身で捉えるのではなく、上手に活用するという視点です。上司に媚びるわけでもなく、都合よく使われるのでもなく、上司の知見や経験をうまく引き出して自分の成長に繋げることは重要だと考えています。これは私自身、部下だった頃から意識していましたが、上司としての立場を経験してからさらに強く感じるようになりました。
上司は基本的に情報や知識を部下と共有する責任がありますが、実際にはそのタイミングを見計らっていることが多いものです。親切心から事前にノウハウを伝えても、部下に切迫感がないと、なかなか身につかないのが現実です。私自身、上司側として何度も経験しました。しかし、部下が自ら必要性を感じて上司にアドバイスを求めれば、その場で具体的なノウハウを得ることができます。もし上司が自分の知識をシェアしてくれないのであれば、それは残念ながら「使えない上司」と言わざるを得ません。
上司を見極めて、自らのキャリア・環境を切り拓く
上司を模範とすることで自分の成長に繋げる方法もあります。自分のポジションや年収を上げたいのであれば、上司と同じスキルや能力を身につけることが必要です。具体的には、上司がどのように仕事をこなし、どのような決断を下しているのかを観察し、それを自分なりに再現してみるのです(もちろん、上司の悪い部分は反面教師として改善します)。「自分には無理だ」と遠慮していては、成長のチャンスを逃してしまいます。この際、上司側に立つ方は部下の成長を妨げるのではなく、むしろサポートすべきです。部下に追いつかれないよう、自身もさらなる成長を目指すことが求められます。
上司のノウハウを吸収し、それを活かして成果を上げ、上司ができることを全て習得し、さらに先を見据えて準備をしておく。それだけの努力をして目に見える成果を出してもポジションや給与が上がらないのであれば、社内で異動を考えるか、思い切って別の会社に移ることも選択肢として考えてよいと思います。自分を成長させたい思いがあるなら、成長を正当に評価してくれる環境を見つけることも大事です。
一方で、媚びを売られることが好きな上司や、部下の成長を妨げる上司、部下の成果を自分だけのものにしてしまう上司などに当たってしまった場合、無理に排除しようとすると逆効果になる可能性があります。そのような場合は、戦略的に成果を提供して上司に早く出世してもらうことで自分の前からいなくなってもらうか、自ら別の部署や会社に移ることを検討したほうが賢明かもしれません。
部下としての立場として上司の出会いは”運”の要素が大きいのは大前提だと捉えています。それでも自らのキャリアアップを目指すためには、上司を上手く活用し、自分の力に変えていくことが不可欠です。上司の知識や経験を積極的に吸収し、自らの成長に繋げていきましょう。それが結果的に、自分自身のキャリアを切り拓く最善の方法だと私は信じています。
終
川添 隆( @tkzoe )
▼自著:「実店舗+EC」戦略、成功の法則
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