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「ビームスのマネ」はヤケドする。取り組みの解説と、ヤケドの理由&対策とは?ー続・「実店舗+EC」戦略、成功の法則

国内のアパレル業界でのオムニチャネル成功事例は、ビームス(BEAMS)だ

私は方々でそう言っています。
そのため、自称“ビームス×デジタル大使”を名乗っております(笑)

一方、下記のイベントではこう話しました。

最近、コーポレートサイトやECサイトをリニューアルする企業が、ビームスのサイトを参考にするケースが増えているんですよ。なかには「ビームスのやっていることをそのままやりたい」っていう企業もありますからね。僕は、そういう企業に「ビームスを真似したら大変なことになりますよ」と言っています。

他の企業の成功している施策は自社にも取り入れたくなるが、“単なるマネ”ではヤケドしてしまいます。
今回は、下記について書きます。
・直近のビームスの取り組みの解説
・単なるマネではヤケドしてしまう理由
・ヤケドしない方法(トップマーケターは他社から何を学んでいるのか?)

直近のビームスの取り組みの解説

2016年以降、ビームスのECやオムニチャネルの取り組みは加速しています。
主要な取り組みは以下です。

2016年5月 自社ECをecbeingへリプレイス、店舗配送とEC物流の統合
2016年9月 ブランドサイトとECサイトの統合→公式サイト
2017年3月 RFID全店導入完了(2012年から一部導入)
2018年3月 店舗とEC双方の在庫取り寄せ開始
2018年10月 スタッフビデオ開始

これらのひとつひとつの取り組みには意志と戦略があります。

■自社ECをecbeingへリプレイス、店舗配送とEC物流の統合
■RFID全店導入完了(2012年から一部導入)

店舗とECのチャネルを統合・融合し、ブランド(ビームスではレーベル)ごとの世界観は顧客体験を豊かにし、ブランドとしてのエッジ(独自性)を出していくには、自分たちでECを運営していくフェーズがやってきます。

ただし、この段階で「ECの物流と各店舗出荷のための物流の統合」は必須ではありません。

しかし、ビームスでは、その先の「在庫のオムニチャネル化」をやるために物流の統合をこの段階でされています。
その一方で、限られた社内物流のスペースでEC出荷を行うには、店舗用のストック在庫とEC用のストック在庫を統合管理する必要がありました。「自社ECの在庫=全チャネルのストック」にシステム上定義し、さらに、人員効率を高めるために物流の機材などに大きな投資をされています。

さらに効率化するために、2012年から一部導入しているRFIDが効いてくるわけです。これは2017年に全店導入され、店舗での棚卸なども効率化につながっています。


■ブランドサイトとECサイトの統合→公式サイト

お客様にとってわかりやすく、なおかつ、社内の運営効率とECへの集客効率を高めるために、ブランドサイトとECサイトを統合する。
ここまでは、誰でも容易に想像できますよね。

しかし、ビームスはその先をいく狙いがありました。
この統合を期に新たに加わった機能は下記です。
①ビームススタッフのコンテンツ
②コンテンツ横断のお気に入り
③タイムライン

現在のビームスのオムニチャネルで欠かせないのが、ビームススタッフのコンテンツです。スタート時には、スタイリング、フォトログ、ブログの3つの形式でコンテンツがありました。フォトログは正方形画像でInstagramライクなコンテンツで、手軽な投稿に向いています。

この仕組みによって、スタッフや3つの形式それぞれ経由売上(直接、間接)を可視化できるようになりました。スタッフのデジタルでの活動による売上貢献が見えることはモチベーションにつながります。さらに、新人のスタッフでもデジタル上の見せ方がうまければ、「ブランドに貢献できる場」になっているのです。

この施策は「スタッフのオムニチャネル化」と言われています。

ブランドサイトとECサイトを統合し、新たにビームススタッフのコンテンツが追加されたことで、上記のようにコンテンツのジャンルが増えました。それによって、各ジャンル単位で“お気に入り登録”が可能なんです。
フツーのECであれば、商品、あわよくばスタイリングまで。しかし、自分自身がユーザーとして使う場合も、ニュースや特集も後で見たい時もあります。そういう時に役立つわけです。

そして極めつけは“タイムライン”です。先ほどの“お気に入り”したジャンルの更新コンテンツがタイムラインとして表示されます。例えば、今の雑誌では登場しないくらいのハイファッションコーデをされているSatoshi Tsurutaさんをお気に入りすると、Tsurutaさんの更新情報が表示されます。
ユーザーにも最適化され、運営としても効率的な“パーソナライズメディア”になっています。


■店舗とEC双方の在庫取り寄せ開始

これによってできることは2つ。
①店舗での試着・取り置き
②店舗とオンライン、相互の取り寄せ

商品はトレンド性が高く、SKU数が多い。さらに多店舗展開だと在庫が分散されてしまうのは、アパレル業界の悩みの種です。
この在庫効率を高めるには、全チャネルの在庫をつなぎ、全チャネルで販売する仕組み作りが必要です。ユーザー、自社双方にとってメリットがあるものの、基幹システム、ECシステム、WMS(倉庫管理システム)のシステム連携の難易度が高く、物流と各店舗での運用が非常に重い課題になります。
これを乗り越えるためにも、B2CとB2B(店舗配送)の物流を統合されていたわけです。

この施策は、「在庫のオムニチャネル化」と言われています。

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これ以降は最新の取り組みスタッフビデオの解説と、ヤケドする理由と対策の話に移ります。
ざっくり言えば、ヤケドする理由は「思考停止」、その対策は「思想や概念をパクることに徹する」だと考えています。

ちなみに、こちらは(株)ムーンショットの菅原さんからの嬉しいコメントです。ご参考まで。

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■スタッフビデオ開始

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