【日刊ZOE NEWS】ディノス・セシール石川 森生氏を“マーケター”と呼ぶのは失礼じゃないか?!/GU次世代店舗が原宿にオープン/小売産業デジタルシフト特集
11月10日(土)の日刊ZOE NEWSで取り上げるのは、下記のニュースです。
1.1200億円の企業変革を起こす石川 森生氏を“マーケター”と呼ぶのは失礼じゃないか?!
2.GU、新公式アプリとサイネージを活用した次世代店舗が原宿にオープン
3.「小売産業のデジタルシフト クオリティ・エキスパート」の企画からコンテンツディレクション
4.EC黎明期のベンチャーから始まり三越伊勢丹なども手掛けられた中島 郁氏との対談(1話・2話)
1200億円の企業変革を起こす石川 森生氏を“マーケター”と呼ぶのは失礼じゃないか?!
私自身がファンであり、彼もまた師匠の一人である石川森生さん。
「石川森生」の頭の中を見てみたいといつも感じますが、彼の考え方や行動を聞くたびに、経営・事業の視点とマーケティングの視点のバランスが絶妙だと感じます。
私の中では、石川さんを「マーケター」という役割では狭すぎると感じていて、「マーケティング視点をもった経営者・事業家」という認識でいます。
この記事でもそれを感じられる内容があります。
この内容から、私なりの解説をします。
このようにECが軌道に乗っている一番の要因は、マーケティングの成果というわけではなく、実は「運用改善」なんです。
我々はECの中にとどまろうと考えていないので、Webで獲得したユーザーにいかにカタログのようなフィジカルな体験をしてもらうか、そのためにデジタルをどのように活用するかという発想になっています。
ここまで言い切るのは、単純にカッコイイです(笑)。
自分の役割に固執することなく、会社の強みを見出し、それをより高めるためにボトルネックになっている部分から手を付けていく。
全ては、ECやマーケティングという場を基点にしているわけではなく、事業全体から物事を見ているんでしょうね。
■ 重い仕事に果敢に踏み込む
組織の改善は非常に重い仕事です。
そこを避けて通る担当者もいますが、EC責任者から踏み込んでいくには、もちろん結果を出してきた信頼も必要ですし、敵に回さないコミュニケーション力が求められます。
そのような状態でディノスという一つのサイトを運営する場合、例えば「クリスマス特集を立ち上げましょう」となったときに、部門ごとに複数のクリスマス特集ができてしまいます。そうすると、制作コストにおいても、SEOの面でも無駄が発生してしまいますし、ディノスとして一つのまとまった提案になっていないので、お客さまにとっても親切ではありません。そうした状況を受けて、私がディノス・セシールに入社して最初に行った仕事は、分散していた会社のWebリソースを一旦まとめて、EC本部という部門を立ち上げることでした。
■ 成果を実感してもらうまでのガマン
組織を巻き込むうえで、共通する原理原則があると私は思っています。
それは、「成果を実感する」すなわち「自分にメリットがあると実感する」と、人は自ら動くようになるということです。
石川さんも、最初から別の施策を提示しませんでした。
恐らく、別の施策は最初から思いついていたと思います。
皆もしくはキーマンが、成果を実感して自走できる環境になってから、提示するステップをとられたのはさすがです。
各部門が別々に特集ページを立ち上げて商品を販売していたものを、EC本部が統括してWeb上でお客さまにオファーを出す形式に変えました。そのために特集を立ち上げるタイミングとオファーの内容をMD(マーチャンダイザー)に伝え、当てはまる商品をエントリーしてもらうようにしたのです。その結果、それまでバラバラだった特集が一つになり、売り上げもまとまって山が大きくなりました。成果が出始めると、今度は山が大きくなっているタイミングで「別の施策を打ち出してみよう」という攻めの発想がどんどん湧いてきます。
石川さんのキャリアは、ベンチャーの立ち上げメンバーからスタートしていて、「何でもやる」行動指針があるんじゃないかと思います。
こういう方が、大企業の改革に飛び込んでいるのは、個人的にはとてもうれしいことです。
GU、新公式アプリとサイネージを活用した次世代店舗が原宿にオープン
満を持して、日本のファッションの中心地に進出です。
実験の要素が多そうな店舗ですが、180坪と大型店に位置付けらる規模です。
場所がら、客数が多く出入りが多いだけに、「短時間でも利用してみたい体験になるか?」がポイントでしょうね。
恐らくは、すでにGU港北での手応えがあるんだと思います。
セルフレジもこの店舗では威力を発揮しそうです。
「小売産業のデジタルシフト クオリティ・エキスパート」の企画からコンテンツディレクション
この度、小売・流通業界の有識者の特集企画「小売産業のデジタルシフト クオリティ・エキスパート」の企画からコンテンツディレクション、そして対談で参加させていただきました。
※昨日の中島さんの対談もそれです
田中 道昭 さん、奥谷 孝司 さん、鈴木 康弘さん、逸見 光次郎さん、角井 亮一さん、山手 剛人さん、中島 郁さん、ご協力本当にありがとうございました!
業界 第一人者である錚々たる方々の対談を全て聞けるという特等席をいただき、関わらせていただいたのは本当に光栄ですし、ありがたいです。
今、タッチーな話題でもある「小売産業のデジタルシフト」。
泥臭い実務的なアプローチ、学術的なアプローチ、経営視点でのアプローチ、物流としてのアプローチなど、それぞれの対談の色が出ています。
順次アップですのでお楽しみに。
EC黎明期のベンチャーから始まり三越伊勢丹なども手掛けられた中島 郁氏との対談(1話・2話)
EC黎明期から、ECに携わっていらっしゃる人自体は少なくないはずですが、現段階で小売り業界で活躍していらっしゃる人は極少数だと思います。
ECにおけるロジックも基礎知識としては必要ですが、事業である以上は責任者や担当者の“行動指針”のほうがよっぽど大事だと考えています。
特にデジタルシフトには組織の話セットになってきますが、それをかき回すひとは「何でもやる」と覚悟して奔走できる人だなと再認識させていただきました。
私のキャリアについてのお話し。
中島さんとは携わった企業の規模感は全く違うものの、共通点があると感じました。
①早期にベンチャーでキャリアを積んでいること
②目的達成のためには「何でもやる」という行動指針を持っていること
③外様として社内改革を進めてきたこと
「泥臭いね」とよく言われますが、私には褒め言葉。
最近は、「ごますりのYESマンの人数」で会社の弱さは決まるけれども、「会社にとっての最良を考えられて、時にはYESマンとして特攻する人数」で会社の強さは決まると思っています。
※タイトル画像※
Marketing Native 「1200億円の巨大なプラットフォームでいかに変革を起こし、戦っていくか? 株式会社ディノス・セシール 石川森生さんインタビュー(前編)」のページより引用
https://marketingnative.jp/interview-of-dinos-cecile-1/
ECエバンジェリスト/川添 隆
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